適当に脳内に浮かんだ問題について考える

昔、外人から質問された「君」と「さん」の違いと使い分けについて考え、英語で説明しようと画策する。

まず日本語で説明できないものを英語で説明するのは無理なので日本語で説明文を練る。
尚、英語力はほぼ0なので多分日本語で書いて満足して終わりになる。

以下は私個人の見解であり、いかなる学術的な考察や出典を持たない為、読む際は注意されたし。

思うに
「君」は一般的に男に使われる事が多い
「さん」は一般的に女に使われる事が多い
が、どちらにも使うことが可能であり、必ずしも性別によって決定されない。

例えば、小学校において教師は男の子の事を「~君」と呼び、女の子の事を「~さん」或いは「~ちゃん」と呼ぶ。
大人から少年少女に対して使うのならば、男=「君」、女=「さん」「ちゃん」でほぼ間違いない。
また、お互いに年齢が同じ位の時も同じ事が言える。

しかし、年上年下の場合は違う
相手が年上の場合
男は年上の女を「~さん」と呼ぶが「~ちゃん」とは基本的に呼ばない
女は年上の男を「~さん」と呼ぶが「~君」とは基本的に呼ばない

相手が年下の場合
男は年下の女を「~さん」とも「~ちゃん」とも「~君」とも呼ぶ
女は年下の男を「~さん」とも「~君」とも稀に「~ちゃん」とも呼ぶ

また互いの性別が同じの場合
男同士でも「君」「さん」(稀に「ちゃん」)と呼べるし
女同士でも「さん」「ちゃん」(稀に「君」)と呼べる

つまり、「君」「さん」「ちゃん」といった呼び方は性別によって大まかに使い分けされているが、厳密には性別ではなく、お互いの年齢差と人間関係によって決定されている。

基本的に年齢が上の男の事は「~さん」で呼び、年齢が上の女の事も「さん」で呼ぶ。
年齢が上の相手に「君」や「ちゃん」を使うのは失礼とする考え方がある。

また親しい間柄の場合、大人であっても男女に関わらず「君」「さん」「ちゃん」の全てが使える。
また互いの信頼度、親密度によってこれは変化する上、男女による差もある。

例えば、非常に中の良い間柄の場合
男が女を呼ぶときは「ちゃん」「さん」「君」全部使える
女が男を呼ぶときは「君」「さん」「ちゃん」全部使える
男女に差があるとすれば、男を「ちゃん」と呼ぶ状況は限られる。女が非常にくだけた表現として男を「ちゃん」と呼ぶ事はあるが、互いの関係が親密である場合に限られる上、大抵女が男よりも有利な立場に立っている時にしか見られない。
また、男が男を「ちゃん」付けで呼ぶ場合も、稀に上司が部下を「ちゃん」付けで呼ぶ時など非常に限られている。

次に、多少の知り合い程度の場合
男が女を呼ぶときは「さん」「君」が使える
女が男を呼ぶときも「さん」「君」が使える
この時に「さん」と「君」の使い分けは主に年齢差による。年下なら「さん」「君」両方使えるが、年上を「君」や「ちゃん」と呼ぶ事は余り無い。
相手が同性の場合も年上には「君」「ちゃん」は使わないのが基本
多少の知り合い程度の関係で「ちゃん」は基本使わない

まったくお互いを知らない場合
男も女も相手を「さん」で呼ぶのが一般的。
この時稀に女が男を「君」で呼ぶときもあるが、学生同士であったり、女が男より年上ないし立場が上であるなど条件は限られている。

まとめると
「さん」は同い年、年上、年下等の年齢差や関係性に関わらず男女両方に使用可能な無難な呼び方。
「君」はどちらかと言うと男に使われる事が多いが、年齢が下であったり互いの立場の関係に左右される呼び方。
「ちゃん」は女に使われる事が殆どで、更に相手が年下である場合が多い。また、男に使われる事は非常に稀である。

姓と名のどちらに「君」「さん」「ちゃん」を付けるかにも大きな差があり、それは人間関係や年齢差に大きく左右される。

日本では普通、相手のことはまず姓+敬称で呼ぶ
姓+「さん」はもっとも当たり障りの無い無難な呼び方。これが失礼に当たる事はほぼ無い。
姓+「君」はある程度互いを知っている場合が多い。仮に相手をよく知らない場合でも、教師と生徒の関係の様にある程度繋がりがある場合に使われる。男性相手に使う事が多いが、女性にも使える。
姓+「ちゃん」はある程度以上に仲が良い時に使われるが、相手が女性の場合以外での用法は珍しい上、「ちゃん」自体が大抵の場合「名」とセットで使われる為、姓+「ちゃん」の形は余り無い

全ての場合に言えるが、日本において面識の無い人物を「名」で呼ぶ事は殆ど無く、互いにある程度以上の親交がある時に「名」で呼ぶ。
名+「さん」は友人、知人関係のとき男女関係なく使える。
名+「君」は、学生同士が主に男子生徒を呼ぶ際に使われる他、会社など成人してからも一定以上の関係であれば使用される。多くは無いが女性にも使う事ができる
名+「ちゃん」は特に女性に使われるが、関係がある程度以上親密でない限り使わないのが無難である。例えば上司の男性が特に親しくも無いのに部下の女性を名+「ちゃん」で呼ぶと物凄く気持ち悪い。また女性同士の場合は関係性に関わらず使う場合もある。

色々書いたが結局は関係性に大きく左右される為画一的な定義は難しい。
一つ確かに言える事は、相手と深い親交の無い時には姓+「さん」がもっとも無難であり、それ以外の呼び方についてはその都度相手との心理的距離を考えて使う方が良い。

物語の世界ではこの「君」「さん」「ちゃん」及び敬称無しの「呼び捨て」を使って、人物同士の関係性や心理的距離感の表現を行なう事が多い。現実でももちろん呼び方によって関係性がある程度把握できる。アニメや漫画、ライトノベルを楽しむ外人にとっては難解である上、物語を理解するのに必要な要素であり面倒かもしれない。

英語のMr、Mrs、Miss、Msの様な男女別ではないタイプの敬称が日本語には多い為、英語圏の人には「君」「さん」「ちゃん」の使い分けは割りと謎かもしれない